こんな質問を頂きました。
と思われる方もいるでしょうが、実際その通りですね。
映像の場合はボリュームを調整してもらえるので、内緒話の時には実際に声の音量を小さくすれば大丈夫です。
舞台のクセがついてしまっているとリアルな音量での演技が逆に難しく感じるかもしれません。
最近では舞台もある程度以上の大きさの場合はマイクが入ってるので、そんなに気にしなくても大丈夫です。
せめてマイクまでは届く声量でないと厳しいですが。
とは言え、やはり小さい声でも観客に届けるスキルは今も昔も舞台俳優にとって大事なスキルです。
マイクの無い舞台に出る方もいるでしょうしね。
と言うことで、今回は主に舞台俳優に向けてのお話になります。
映像俳優にも必要な声のスキルはこちらになります。
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まだ見て頂いてない方は是非ご覧下さい。
今回は
観ている人はどうやってセリフを認識しているのか?
音量を落としても聞こえるためにはどうしたら良いのか?
ということをご紹介していこうと思います。
観客にセリフを届けるにはこの3つを意識しよう!
まずセリフをどのように観客が認識しているかということを知っておきましょう。
その通りなのですが、大きな声で滑舌良く喋れば全てのセリフが観客に届くわけではありません。
もちろん耳には入りますが、内容が頭に入らなければ意味がありませんよね。
大事なのは、観客に聞く姿勢をとってもらうことです。
聞く姿勢1 聞いてもらう(音量)
当然ながら物理的に聞こえないと聞いてもらうことはできません。
ある程度大きな声は必要ですね。
これは誰でも分かるんじゃないかと思います。
聞く姿勢2 見てもらう(視覚情報)
聞き取れない単語があったとしても脳内補正しながら観ているんだ!
舞台で話す時は、極力客席側に顔を向けていた方が聞きやすくなります。
聞く姿勢3 集中してもらう(誘導)
聞いてもらって見てもらっていたとしても、集中していなければ頭に入りません。
ボソボソ喋ってる感じで観客にしっかり聴かせるにはどうしたら良いの?
という事で本題ですが、結論としては上で説明した3つのポイントのバランスが大事です。
一つずつポイントを説明していきますが、今回はかなり小手先のテクニックに偏った内容となっております。
音量について
以前もお伝えしましたが、声の距離感というのは
- 大きさ
- 音程
この二つで観ている人から認識されます。超低音ボイスで「ヤッホー!」って言ってる人はいませよね。
ですので、低い声で発声すると近い距離感の場所に向かってボソボソ喋っているように聞こえます。
声の大きさまで落としてしまうと物理的に聞こえなくなるので、音程だけで距離感を調整してみましょう。
あとはウィスパーボイスを使う方法もあります。
ささやき声のこと。
声に息を混ぜる発声方法で、ヒソヒソ話のようなニュアンスが出せる。
ただ、小さい声の表現としてのウィスパーボイスは形式的に見えてしまうので、個人的にはあまり好きではありません。
視線情報について
とても基本的なことなので、舞台を経験したことのある人は既にご存知だと思います。
舞台では立つ時も座る時も、基本的には観客から見えやすいように意識しましょう。
例えば二人で会話をしている時にも
この二つの姿勢なら基本的には右をを選びます。
観客に対して開いた立ち方ですね。
そのほうが観客のストレスが減るからです。
集中力を誘導する
基本的には間を使って集中を集めます。
一番テクニックが必要ですね。
音量や見せ方も、結局は観客の集中力を誘導するためのものになりますので繋がる部分もあります。
とはいえ小手先のテクニックは演技の本質ではないことをご了承下さい。
ちなみに間については別で紹介しています。
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例えば
- 深呼吸するつもりで喋る前に大きくブレスを入れる
- 無言で動いて、しっかり止まってから喋る
こんな方法で間を作ると、必然的に注目が集まっていますのでその後の言葉は音量を絞っても聞こえやすくなります。
大きい声で喋っていたのを、急に小さい声に変えたりしてもメリハリがついて集中力を刺激します。
まとめ
今回は主に舞台上での小さい声の出し方について解説してみました。
日常生活で隣の人に聞こえるくらいの声量でそのまま舞台上で喋っても、当然ながら観ている人まで届きません。
逆にずっと大きな聞きやすい声で喋っても、一本調子で退屈に感じてしまいます。
メリハリをつけるためにも、時には小さな声が必要になります。
小さい声で演技をする時は、今日紹介した3つ
- 声の大きさ
- どう見えているか
- 集中を集められているか
このバランスを意識することが大事です。
もちろん全部に力を入れる必要はありません。
試行錯誤の中で、自分の得意とするバランスを見つけましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました!