この日は朝から動物園に遊びに行ったことで、夕食後には早々に家族が就寝。
走り回って疲れたんでしょう。
起きてるのが自分だけになった家の中で時間を持て余します。
ちょうどジブリ映画「耳をすませば」の10年後を描いた作品「耳をすませば」の実写版が封切りされておりまして、元々観るつもりはなかったんですがネット上でやたら酷評が多くて気になったので観に行くことにしました。
ジブリ映画の「耳をすませば」が公開されたのは1995年。
当時ちょうど中学生だった私は、同級生である月島雫と天沢聖司の恋物語をドキドキしながら見守りました。おそらく日本のほとんどの中学生がそうだったでしょう。
そんな二人の10年後
絶対気になるはずなのに、なんだか観にいこうと言う気持ちが起きにくい本作
今回は
- 夜の時間を持て余している
- 酷評が多くてかわいそう
この2点が合致して、実際に足を運ぶことになりました。
ジブリ映画「耳をすませば」ってそもそもどんな作品だったっけ?
「耳をすませば」の実写版を観る前に、スタジオジブリ版の「耳をすませば」を復習しておきたいと思います。
本を読むのが大好きな中学生「月島雫」は図書館で本を借りているが、自分の借りる本を常に「天沢聖司」が先に読んでいる事に気づく。
雫は「天沢聖司」の名前だけを見て憧れのような幻想を抱くが、実際に出会った「天沢聖司」は雫にとって「嫌なやつ」だった。第一印象は最悪だったが、その後ひょんな事からもう一度聖司に出会う。
聖司がバイオリン作りの修行をしていると聞いて、自分と同い年なのにすごいと尊敬の気持ちを持つ雫。
恋という自覚は無いものの、雫の中では聖司に対しての気持ちが徐々に大きくなっていく。
そんな中聖司はバイオリン制作の修行のためにイタリアに留学。雫は雫で、小説家になりたいと思い立ち執筆活動を開始。
行動に移すことの難しさを痛感しながらも一本の小説を書き終えた雫の元に、聖司が一時帰国して帰ってきた。聖司は雫を荷台に乗せて、秘密の場所へと連れていく。早朝、朝日に照らされる街を見ながら、聖司は雫に対して「結婚しよう」と告げる。雫はそれに「私もそうなればいいと思ってた」と応えて物語は幕を閉じる。
誰もが経験してきた中学時代のある意味「イタさ」も含めて、ジブリ映画「耳をすませば」は素晴らしい作品だったと思います。
「耳をすませば」の実写版はなぜ酷評が多いのか
映画館についてみれば、客席にいるのは10人前後。
これはやはり
ジブリ映画ファンにとってそもそも観たいと思わない
という事なのかと思います。
観た印象としては
映画としてはそんなに悪くない
という感じです。
綺麗な映像もあったり、感動するポイントもちゃんとあります。
実際に実写版「耳をすませば」のあらすじ(ネタバレを含みます)
聖司と離れ離れになって10年。
(穢れを知らない2人が10年間イタリアと日本で遠距離恋愛を続けているという事が既にファンタジーですが)雫は作家になるために自分の作品を書き続けています。
小説は落選を続ける一方、働いている職場でも仕事がうまくいきません。イタリアで華々しい活動をしている聖司に対して引け目も感じています。
ストレスフルな日常の中で、小説を書くことに対してワクワクするような気持ちを失ってしまいました。
一方聖司も(ジブリ映画ではバイオリン職人を目指していた聖司ですが、実写「耳をすませば」ではチェリストを目指しています)音楽を本気で追い求めるほどにワクワクする気持ちを無くしていました。
映画ではそんな2人の現在と10年前と当時が交互に描かれていきます。
実際に実写版「耳をすませば」を観た感想(ネタバレを含みます)
実写版「耳をすませば」の良かったところ
聖司の演奏で雫が歌い上げるシーンが良かったです。
それまで清野菜名さんは鬱屈したシーンしか演じておらず、このシーンに至って初めてエネルギーを解放させます。
本来清野菜名さんはあのエネルギーを持った方だと思いますが、かなり後半のシーンまで抑えた表現をするのはしんどかっただろうと思います。
このシーンが良かったからこそ、その後に聖司がイタリアの人たちと街角で楽しそうに演奏をするシーンは蛇足だったんじゃないかなと思いました。
実写版「耳をすませば」の気になるポイント
普通に楽しめる映画ではあったものの、気になる点がいくつかありました。
イタリアでのシーン
イタリアでの聖司が何度か描かれるのですが、ほぼ英語でのやりとりなんですね。
どうやらコロナの影響で海外ロケが出来なかったらしく撮影は苦労したらしいのですが
撮影が日本だからって、イタリア語でセリフ言うくらいはできるんじゃないか?
と思いました。
曲が違う
ここがジブリ版「耳をすませば」のファンにとって一番納得しにくいポイントかもしれません。
そうなんです。何故か実写版の「耳をすませば」では、「カントリーロード」なく「翼をください」が歌われます。
もはや「耳をすませば」とカントリーロードはセットですので、これが聞けないのはちょっと残念でした。
中学生時代のシーンがやたら長い
最初の一時間くらいは、大人時代と中学生時代が交互に描かれます。
前半の体感としては、大人時代よりも中学生時代分量が多く感じられました。
さらに内容としてはほぼジブリ版「耳をすませば」を実写でやっているだけなので、既に知ってる内容なんですね。
とはいえ子役の演技はかなり頑張っていたと思います。
ジブリのキャラクターまんまだったし、無理をしている様子も無かったので好感を持てました。
夢を追い続けること
実写版「耳をすませば」では、ワクワクする気持ちを忘れてしまった2人がどう夢と向き合っていくのかという事が一つのテーマになっています。
この問題に対して
楽しむことにシフトすれば良いじゃん!
と映画の中では描かれていますが、それはちょっと無責任だと感じました。
聖司の態度
「信じて待ってていいのかな?」って聞く雫に対して、答えになってない思わせぶりな手紙で返事送ってくるってどうなの?
と思ったのですが、これについては各々の恋愛観があるのでわかりません。
少なくとも私には聖司が返事を先延ばしにするずるい男に見えてしまいました。
「耳をすませば」の実写版は面白いのか?まとめ
色々書きましたが
なんだかんだ言って、普通に面白い
と言う映画です。
ただ
普通に面白かったけど、映画館で観るほどではない
と言うのが正直な感想です。
「耳をすませば」ファンの方は、是非劇場で観てみてください。観た結果もちろん色々と思うことはあるでしょうが、それも込みで楽しんでいきましょう!
ファン以外の方はいつか配信されたり地上波で放送されるでしょうから、その時に観ていただきたいと思います。
どちらにしても注意点としては
ジブリ版「耳をすませば」とは全く別の作品
と思って観るべき!ってことですね。
意図的に別作品として観れば、楽しめる映画かと思います。