本日はシーンを始める前の準備について解説します。
準備については
台本もらったからとりあえず覚えたけど、この後どうすれば良いの?レッスンのクラスでこんな質問がありました。 演技に取り組み出してあんまり経ってない人は台本を覚える以外何したら良[…]
こちらでもお伝えしましたが、今回は応用編ということでより細かく具体的にお伝えしていきます。
シーンというのは、台本上の登場人物たちにとって、特別な時間です。
ですが、当然シーンの前にも時間があって、シーンの後にも時間があるわけです。
台本は
登場人物の人生のハイライトを切り抜いたもの
と言っても良いでしょう。
登場人物たちはシーンの前にも生きていて
ある特定の状態になっています。
俳優自身も登場人物と同じく、シーンが始まる前の状態になっておかないといけません。
説明だけだとわかりにくいので具体例を挙げましょう。
- ウイスキーを5杯飲んでから、ご飯を食べる。
- 100メートルを全力で走ってから、友達と談笑する。
- お母さんが倒れたという知らせを受けて、病院に向かう
句読点の前が「ある特定の状態」で、後がシーンと考えてください。
入れ替えてみても大丈夫です。
例えばこんな風に。
- 100メートルを全力で走ってから、ご飯を食べる。
- お母さんが倒れたという知らせを受けて、友達と談笑する。
- ウイスキーを5杯飲んでから、病院に向かう
シーン前の状態によって、シーンに影響がないわけがありませんよね?
100メートルを走ったなら、呼吸・心拍数・体温が高まった状態です。
お母さんが倒れたという知らせを受けたら、あなたの思考・感情はそのことで埋め尽くされます。
ウイスキーを5杯飲んだら、頭にモヤがかかって、体もだるいような状態です。
普通の体でシーンを始める事は、絶対にできません
さて前置きが長くなりましたが、シーンの前の状態を作るにはどんな準備をすれば良いのか。
具体例を挙げながら説明します。
シーンが始まる前の状態を作るにあたっての準備の種類
シーンが始まる前の状態を作るにあたって
「感情的状態」
「身体的状態」
この二つがあることを知っておいてください。
どちらか一つだけで良い場合もあれば、両方必要な場合もあります。
身体的状態
- 疲れ
- 病気
- 酔い
- 眠気
- 暑い
- 寒い
- 興奮
などが身体的な状態になります。
シーンに入る前の登場人物がどのような状態なのか、身体的に考えてみてください。
感情的状態
- 悲しみ
- 怒り
- 緊張
- 不安
- 恐怖
- 喜び
などが感情的状態になります。
後ほど説明する2段階準備は、主に感情的状態の準備になります
この準備をせずにシーンの中でいきなり感情的になるのは不可能です。
準備の具体例
実際に世界的な名優ジャック・ニコルソンがシーン前の準備をしている映像がありますので共有させて頂きます。
正直、ちょっと面白いです。
おそらくこれをやるのは皆さん恥ずかしいと思うのですが、ジャックニコルソンほどの俳優がここまでやってるのに、我々が恥ずかしがってる場合ではないですよね。
シーンが始まる前の状態になるために必要なことは、なんでもやりましょう。
次のページからは、具体的にどうやってシーンの前の状態を作れば良いのかを解説していきます。
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