映像の演技と舞台の演技との違いとは? 映像と舞台の仕組みを知って声と体の使い方の意識を変えよう!

俳優としてのキャリアが長くなってくると、映像でも舞台でも俳優として仕事をするようになってきます。

しかし、最初のうちは舞台でしか演じた事が無い、もしくは映像でしか演じた事が無い方がほとんどでは無いでしょうか?

 

笑っているタコ
映像の演技と舞台の演技の違いってなんですかー?

こんな事を聞かれることが多いので、今日は映像での演技と舞台での演技の違いについて解説していきます。

 

基本的に違いはありません

演技指導者でもこんな事言う方が多いと思うんですが、この意見も一理あります。

俳優の技術が高ければ解消できる問題は多いです。

しかし、やはり違いはあると伝えるのが親切なのではないかと思います。

だっていくらリアルに演技をしたって、一言もセリフが観客に聞こえてないようでは意味がありませんからね。

 

私は20年ほど芸能に携わってきました。

その中で舞台では良い俳優だけど映像にはハマらない俳優も見てきましたし、その逆もあります。

ただ求められるものが違うということを知らないだけなので、非常にもったいないと思っています。

 

求められる演技が変わる理由と、対応策についても簡単に紹介していきます。

今のうちに別の媒体への出演に備えておきましょう!

 

俳優の第一条件を考えてみる

俳優の仕事について考えることで、自然と映像演技と舞台演技の違いも理解できるかと思います。

さて

俳優が第一にやるべき仕事というのはなんでしょう?

笑っているタコ
想像の世界で真実に生きること!

確かにそうですね。

このサイトでも何度かお伝えしていますが、俳優は想像の世界を実際に生きる必要があります。

フリをしているだけでは伝わりませんからね。

でも、それ以上に俳優がまずやるべきことがあります。

他には何か思いつきますか??

セリフや動きを間違えないこと!

そうですね。

俳優は自分勝手に動くことも、自分勝手に喋ることも出来ません。

※厳密に言えば自分勝手に喋ったり動いたりした結果が台本通りと言う状態が生きていると言う状態になります

 

まとめると、俳優がまずやるべき仕事というのは

物語を観客に届けることです

想像の世界で真実に生きるというのは、物語を届けることが出来るうえでのお話です。

 

メソッド演技を学んでいる方は間違いがちな部分ですが、ここはしっかり押さえておかなければなりません。

いかに想像の世界で真実に生きていたとしても

台本の物語を観客に届けられなければ意味が無いのです。

 

 

とはいえ、前衛的な舞台では物語からの解放を目指したものもあります。

アングラと言われる種類の演劇もありますが、こちらは物語ではなく俳優の本能に根ざしたエネルギーを伝える事を目的としています。

舞台に関しては一概に言えない部分もありますが、あくまで一般論としてご理解ください。

 

映像演技と舞台演技の違いとは?

物語を届けることが俳優の第一の仕事であることは理解して頂けたかと思います。

舞台の場合なら観客に、映像の場合なら視聴者に物語を届けています。

 

そして、物語を届けるにあたって適切な演技というのが映像と舞台では変わってきます。

声と体に分けて解説したいと思います。

 

映像と舞台の声の出し方の違い

声の出し方によって物語が届きにくくなってしまう場合があります。

 

例えば

この人なんでこんなに声が大きいの?

という考えが頭をよぎると、観ていて集中できなくなってしまいますよね。

もちろんその逆もあります。

苦しんでいるタコ
え?なんて言ったの?聞こえないよー!
これも観客の集中力を削ぎます。
どちらも同じようにノイズになってしまうので、距離感には気を付けましょう。
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声の出し方についてはこちらでもお伝えしていますので、読んでない方はこちらも見てみてください。
ただ、声の出し方について意識するのは、舞台での演技の場合がほとんどです。
舞台の場合は観客も意識しておかないといけないので、相手役と会話をしているだけでは駄目なんです。
逆に映像演技の場合は、声が小さい方が正解であることが多いです。
なぜなら、小さくても後でボリュームを調整してくれますから。
小さい声の方がニュアンスを付けやすかったりもします。
映像演技の場合、ハッキリ言ってしまえば
小さい声の方が下手な事がごまかせます
身も蓋もない言い方ですが、これが真実です。
実際に第一線で活躍しているような俳優でも、現場では相手役にすら聞こえないような声でセリフを言う方もいます。
とは言え、これを読んでくれている皆さんは誤魔化す事ではなく、本質的に上手い俳優になることを目指しましょうね。

映像と舞台の動き方の違い

物語を届けるという視点で見たときに、やはり求められる動き方も変わてきます。

例えば

何かに気づいてそっちを見るという演技

ということを考えてみましょう。

 

映像の場合

映像の演技なら、どのように見れば物語を届けることが出来るかは

撮られている画角によります

 

例えば顔のアップで撮られているなら、視線を動かすだけで十分です。

それ以上に体を使って表現すると

演技がオーバーだ

というノイズが生まれるかもしれません。

 

しかし複数人で映っているシーンで自分一人が気づいたんだとしたら

視線だけを動かしてそっちを見ても、何かに気づいた事は伝わらないかもしれません。

観ている人間の視点はあなただけに集まっているわけではありませんからね。

 

他のパターンとして経験の浅い方によくあるのが

うつむくときにガックリ首からうつむいてしまう

ということもあります。

そんな事をしてはカメラには俳優のつむじしか映っていませんw

横から撮っている別ですが、観ている人にとっては「表情が気になる」というのがノイズになってしまいます。

うつむく演技をアップで撮られている時には、首の動きは最小限にして、視線だけでうつむくようにしましょう。

 

舞台の場合

舞台での演技ならほとんどの場合

視線を動かすだけでは不十分です

 

基本的には首ごとそっちを見ないと、見ているということは観客に伝わりません。

ケースバイケースなのですが、自分一人で舞台上にいる時間なら視線だけで十分かもしれません。

なぜなら観客の視点はあなただけに集まっているからです。

この場合は全身をアップで映されているのと同じことですからね。

 

舞台上での演技については簡単に伝えられないので、また別の機会にまとめてお伝えしようと思います。

 

ただ、覚えておいて欲しいのは

観客が受け取りやすい演技を心がける

ということです。

 

自分が真実に生きているだけでは観客にはなにも伝わりません。

どのように動けば違和感無く物語を届けられるのか

観客が

「何かに気づいてあっちを見たんだなぁ」

ということが分からなければ、物語を届けていることにはなりません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

映像演技と舞台演技の違いは、確かにあります。

しかし、観られている自分をイメージできていれば解消出来ます。

つまり

自意識は俳優にとって邪魔にもなるし、武器にもなる

ということですね。

 

観られている自分を想定した上で、演技プランを組み立てましょう。

次回は舞台上での動き方について詳しく解説したいと思います。

 

今日もありがとうございました!

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