演技の時の目線はどうすれば良いの?【心掛けるべき3つの要素】

人がたくさん出てるシーンだとどこ見てれば良いのか分かんなくなっちゃうんです!誰を見たら良いんですか?

 

クラスでこんな質問がありました。

この質問に対して

うーん。。。君が見たいとこ見てたら良いよ!

って答えたんですね。

 

なんだかほったらかしというか、雑に聞こえるかもしれません。

でもこれって本当にそうなんです。
だって実際の生活の中で、そんな事考えないと思うんです。

 

もし、考えていたとしたら

今日の朝ごはんはお父さんの顔を見て食べようか。。。はたまたお母さんの顔を見て食べようか。。。いや、あえて目玉焼きを凝視しながら食べてみるか。。。
いいから早く食べなさい!
こんな感じでおそらくお母さんに怒られますよね。
実生活でやらないことは演技でもやりません
だから
そんな事気にすんな!
っていうのが正しいアドバイスではあるのですが、とはいえ演技に慣れてなければどうしても気になってしまうかもしれません。
ということで今回は
演技の時の目線について
というテーマで詳しく解説していきたいと思います。

シーンの中での目的を見つける

演技の時の目線を考えるにあたって、まずは自分が演じるキャラクターの目的を見つけることから始めましょう。

欲求からくる目的です。

 

人間は常に目的に向かって行動しています。

意識しているか無意識かと言う違いはありますが、目的がなければそもそも行動は起こしませんよね?

例えば大学に行く予定がないのに受験勉強はしません。

 

私は大学行く予定は無かったけど親に言われて高校時代はたくさん勉強しましたよ!
じゃああなたの目的は親に気に入られることだったんだね!
競馬やパチンコなどのギャンブルをする方の目的は
「お金を儲けたい」
ってことですよね。
または何にもやることが無くて
「時間を潰したい」
が目的の方もいるかもしれません。
そして大事なことなんですが、人間は
達成することが出来る
と、心から信じたことしか行動には移しません。
歯磨きをしながら「歯を綺麗にする」と言う目的を達成できるかどうか疑っている人はいませんよね。
何かを食べながら空腹を満たせるか疑っている人はいますか?

この記事を見ているあなたも、演技力を向上させるヒントが手に入れらると信じるからこそ時間を割いて読んでくれているのだと思います。

シーンの中で自分が演じるキャラクターの目的を見つけたら、少なくともキャラクター自身は達成出来ると信じているんだと言うことをわかっておいてください。
欲求についてはこちらでも解説していますので、よかったら参考にしてください
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対象となる登場人物を見つける

目的の達成というゴールは必ず他者から得られます。

もし自分だけで目的を達成することが出来るとしたら、コミュニケーションをとる必要はありません。

よくある間違いなのですが「感謝を伝える」や「謝る」という事は目的にはならないということです。

 

目的は他の誰かを含むものにしてください。

 

もし「感謝を伝える」が目的だとしたら、相手が何をしようと関係なく感謝を伝えればシーンは終わりです。

誰かに感謝を伝えたいのはなぜでしょう?

その誰かに自分を好きになってもらいたいのかもしれません。
その誰かを喜ばせたいのかもしれません。

他の誰かの行動を変化させるもの、または他の誰かの感情を変化させるものが演技においての目的です。

 

その上で、たくさん登場人物がいる中で誰が対象なのかをはっきりさせましょう。

 

例えば部活のみんなでご飯を食べに行った時

グループの誰かに好意を持っている場合、好意を寄せる相手の反応がイチイチ気になるという経験は誰でもあるかと思います。
好意を寄せる相手にも、自分に好意を持ってもらいたいという目的があるからです。

 

演技の上では自分の目的が向かう登場人物をホットパーソンと言います。

シーンの中で自分のホットパーソンを見つけましょう。

あなたは知人に芸能事務所を紹介してもらうことになりました。
知人と事務所の社長とあなたの3人でご飯を食べながら今後のことを話し合うという状況です。
このシーンでのホットパーソンは誰でしょう?
どうでしょう?
背景にもよりますが、概ねホットパーソンは事務所の社長ですね。

この考え方を知っていれば

誰に向かって話せば良いのか?
どこを見れば良いのか?

という疑問は出にくくなります。

 

目的についてより詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

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起こす可能性のある行動を見つける

目的が分かって、目的が向かう相手も見つけることができました。
次に、シーンの中で自分が起こす可能性のある行動をピックアップしてみましょう。
演技とは
想像の世界で真実に行動すること
Acting is Doingです。
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例えば好意を持ってもらいたい人とご飯に行ったとしたら、どういう行動をとる可能性があるでしょう?
・甘える
・頼る
・格好つける
・ぶりっ子する
・盛り上げる
・ごまをする
その時の状況や関係性にもよりますが、こういったことが考えられます。
台本を読んだ情報をもとに、起こす行動をピックアップしておきましょう。
「良い雰囲気を作る」とか「愛する」とかもあるかもしれないですね!
それはちょっと違うかな。ここでいう「行動」っていうのは自分が演じることが出来るものにしよう!
「良い雰囲気を作りたいんだとしたら、行動としては「見つめる』とか「近づく」という感じ
行動についてはピックアップするだけで大丈夫です。
これをどう演じるかについては表現力が必要になってきます。
とはいえ表現力はすぐに鍛えられるものではなく、日々の積み重ねの結果によるものです。
この部分はまた別で書きたいと思います。

最後に

今回は

たくさんの登場人物がいる中での演じ方についてというテーマで説明してきました。

最後にとても重要なことなんですが

準備をしたことは実際演じる時には完全に放っておいてください

 

これまでやってきたことは、俳優としての準備です。

実生活の中で我々は目的を意識していませんし、起こす可能性のある行動も考えていません。

なので、これを持ちながらやるとどうしても違和感が出てしまいます。

 

準備したことは全て放っておいて、想像の世界を全力で楽しみましょう!

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