こんな質問を頂きましたので、小道具の使い方についても説明しようと思います。
演技の時の動き方についてはこちらの記事も参考にしてください。
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小道具や衣装は、当然ながら普段の自分の持ち物ではありません。
そのままではリアリティのある演技をすることは難しいので、演技の前に準備が必要です。
小道具・衣装を扱うときに気をつけること
当たり前の話なんですが
壊さない
これが一番大事です。
小道具・衣装は、スタッフの方々が俳優が知らない場所で用意してくれました。
舞台にしても映像にしても、俳優だけの力では作れない総合芸術です。
俳優以外の部署に敬意を払いましょう。
さらに言うと、自分の持ち物や洋服を壊すくらい感情が昂ることは日常生活ではほぼありません。
地べたにカバンを置くことだって抵抗を感じますよね。
洋服でガードレールに腰かける事も抵抗を感じる人はいます。
にも関わらず、演技になると無頓着になる人は多いです。
ものを雑に扱うかどうかは演じるキャラクターによって変わるので一概には言えませんが、まずは自分のものだと言う感覚を持ちましょう。
とはいえ
- ボタンを引きちぎるくらいの勢いで服を脱ぎたい
- 怒りに任せてコップを投げたい
こんな演技プランを持つこともあるかと思います。
その場合は、必ず事前に監督に相談しましょう。
小道具・衣装と仲良くなる
往年のサッカー漫画にて「ボールは友達」と言うセリフがありましたが、俳優にとって小道具・衣装は助けてくれる仲間であり武器にもなります。
でも練習しないと使いこなすことは出来ません。
例えば普段カジュアルな格好しかしない人は、スーツの衣装を着ただけでも浮いちゃいますよね。
タバコやお酒なども、普段飲まない人はすぐにバレてしまいます。
もしも小道具として使う事があったら、最低限練習しておきましょう。
小道具・衣装と一緒に過ごす時間が長ければ、それだけ距離が近づきます。
映像作品では小道具・衣装が分かってから撮影までの期間はとても短いので、できれば撮影前から似たものを自分で用意して練習しておきましょう。
道具の使い方にも人それぞれ個性が出ます。
慣れてくれば自分なりの道具の使い方が出てきますので、それを演技に取り入れていきましょう
小道具・衣装と自分との関係性を考える
そんな方は、自分の小道具・衣装との関係性を考えてみましょう。
関係性は
- 人
- もの
- 場所
- イベント
と自分との間に存在したりしなかったりします。
例えば、普段持っている財布とあなたの間には関係性があるでしょうか。
あるかもしれませんし、無いかもしれません。
その財布が1年間お小遣いを貯め続けてようやく買ったものだったら、何かしら感情的なものを財布に感じると思います。
もしくは、その財布が亡くなったお父さんの形見の財布なら、何かしら感情的なものがあるでしょう。
関係性は感情と結びついています。
強い感情を抱くものほど、強い関係性があります。
今あなたが来ている洋服とあなたの間に関係性はあるでしょうか。
これもあるかもしれないし、無いかもしれませんね。
でも、その洋服を着て受けた映画のオーディションに受かったとしたら、その服とあなたの間に関係性が生まれるでしょう。
あなたの中で、その洋服は何か特別なものになるはずです。
台本の中には、たくさんの人・もの・場所・イベントが登場します。
小道具・衣装とちょっと話はそれますが、それぞれとの関係性を考えてみましょう。
関係性を考えるポイントは、感情的なものがあるか無いかです。
近所のカフェの店員さんとあなたは関係が無いかもしれませんが、お釣りを渡されながらニコッとされたその時に関係性が生まれますよね。
お釣りを投げ返されたら全く逆の感情になると思いますが、それはそれで関係性が生まれます。
まとめ
今回は小道具・衣装の使い方について解説しました。
違和感を生まないためにまずは慣れることが大事です。
その後余裕があれば、自分との関係性を考えてみてください。
関係性があると演技中に自分の助けになります。
とはいえ、作った関係性は演じる時は手放して臨みましょう。
手放すことについてはこちらの記事も参考にしてください。
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最後まで読んで頂きありがとうございました!