俳優に必要な想像力とは?想像力がなくなってしまう理由

演技力とは

想像の世界で真実に生きる能力

 

真実に生きると言うことに関しては

そもそも演技ってなに?演技力を鍛えるってどうしたら良いの?

こちらをご参照ください。

 

今回は想像力のお話です。

想像力は俳優だけではなく多くのお仕事で必要になる能力ですね。

しかし想像力とは何か?ということにしっかり答えられる方は少ないんじゃないでしょうか?

 

なぜなら

  • 「相手の気持ちを想像してメールを送りなさい」
  • 「初めてみたスカイツリーは想像以上に高い」
  • 「殺人事件の真犯人を誰が想像できただろうか」

このようにいろんなシチュエーションで想像という言葉が使われるからです。

 

相手の気持ちを想像する場合は「共感力」や「協調力」が必要ですね。
スカイツリーの高さを想像するのは「妄想力」「空想力」が必要です。
犯人を想像する時は「直感力」「洞察力」なんかも必要になってきますね。

想像力は状況に応じて求められる力が変わってきます。

順番に説明していきます

俳優にとって必要な想像力とは

結論から先に言うと、俳優にとって必要な想像力とは空想力です。

別の言い方をすると、想像の世界を具体的にするための力が必要になります。

 

観客が作品を楽しむには、作品の世界を実際の事だと信じる必要がありますよね?

今日見た映画の演技は嘘くさくって最高でした!一瞬も信じられなかったですよ!
いるか先生
こんなこと言ってる人は会ったことありません

観客が想像の世界を信じるには、俳優が想像の世界で真実に生きている必要があります。

俳優にこの技術があれば、シーンは見せかけのものではなくなります。
観客は実際の出来事の傍観者になれるのです。

ヘミングウェイは「良い本は真実以上に真実を表している」と言っています。
演技も同じことが言えますね。

 

想像の世界で真実に生きるには、俳優自身がその世界を信じられている必要があります。

あなたはあなたの人生を信じていますよね?
朝起きて、学校に行って、勉強して、ご飯を食べた。と言う事実は疑いようがありません。

同じようにキャラクターも自分の人生を実際に起こった事として信じています。

 

そして

想像の世界を信じるには、具体的に知っていなければならないことがたくさんあります。

 

例えば大学受験に合格した人がいたとします。

「一日どれくらい勉強しました?」

「塾には通いましたか?」

「いつから勉強を始めましたか?」

といった質問にすぐに答えられるでしょう。

なぜなら実際に自分が体験した出来事だからです。

 

しかし「大学受験に合格した」と言うシーンを演じる時、俳優は先ほどの質問に答えられないことが多いのです。

なぜ想像力を鍛える必要があるのか

想像力は生きていく上で必須です。

コミュニケーションの場でもビジネスの場でも必要になってきます。

 

幸いな事に「力」と付くものはどれもトレーニングで鍛えることによって強くすることができます。

集中力も表現力も想像力も

筋肉と同じように鍛えれば鍛えた分だけ強くなります。

 

俳優が想像力を鍛える必要がある理由は

台本には全てが書いていないからです。

 

セリフというのは、氷山に例えられます。

海面から出ている部分がセリフです。
海の中に沈んでいて見えない部分がたくさんあるわけですね。

海面から出ている部分しか目には見えませんが、下の部分が無いと氷山は存在しません。

俳優の作業というのは、目に見えない部分を想像して創造することです。

台本という見える部分を元に、見えない部分を想像力をつかって補っていきます。

誰にも見えない部分なので、正解はありません。

想像力という武器を使って、自由に想像の世界を楽しみましょう。

想像力を押し込めてしまう3つの理由

子供の時、我々はみんな豊かな想像力を持っています。

ピカソは
「ラファエルのように絵を描くには4年かかったが、子供のように描くには一生涯かかった」

と言う言葉を残しています。

 

子供の時は自由な想像力を持っていた我々ですが、大人になるに従って徐々に想像力は無くなっていきます。

なぜなら大人になるに従って、無意識的にタブーが増えていくからです。

このタブーは大きく分けて3つに分類されます。

常識人だと思われたい

生活する中で、嫌でも世間の常識を刷り込まれてきます。

例えば殺人鬼の役を演じるとして、どういう部分を具体的に想像しますか?

 

僕だったら、もしも人を殺すとしたらどんな時があるだろう??
自分に置き換えて考えるのはとっかかりとしては良いのですが、それだけにはならないようにしましょう。
前提として、あなたとキャラクターは全く別の人間です。
「鮮血を見てワクワクする」
「怯えた目を見ると興奮する」
この経験を具体的にするために自分の体験として具体的に想像するのは、人によっては抵抗感があるはずです。

性的なことに対するNG

小さな子供だったら平気で言うようなことでも、大人はブレーキをかけます。

みんな覚えていますよね?

「う○ち」や「ち○ち○」といったワードだけで大笑いした日々のことを。

 

しかしやはりこれも大人になるに従ってタブーになっていきます。

独創的だと思われたい

変な人だと思われたくないのに、普通でもいたくないんですよね。

トリッキーなことを言って驚かせたい。
自分しか思いつかないようなことを言いたいと言う欲望を持っています。

ただし、私も含めてほとんどの方は凡人なんだということを受け入れましょう。

音楽の世界でも誰の影響も受けていないアーティストなんかいませんよね?

 

下手で良い、王道で良い。
俳優は脚本家になる必要はありません。

最後に

想像力を使って台本を具体的にする。

というお話でした。

 

演技をする前に具体的にしたことは、誰かに言う必要はありません。

あくまで自分の演技のために用意するものです、

 

そして、具体的にしたことについては演じている間は意識しないでください。

この具体的にすると言う技術に関してはまた後日書いていきたいと思います。

 

今日もありがとうございました。

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