演技が上手いってどういう事なんでしょう?
演技力は人間力と密接に関わってきます。
いろんなキャラクターを演じるには職業や時代・経済レベルなどの知識が必要ですし、そのためには自分とは違う存在に対して興味を持つ好奇心も必要ですね。
想像の世界に入るには想像力が必要ですし、想像の世界に居続ける為には集中力が必要です。
もしも障害のある方を演じるなら、障害のある方全ての代表で無ければいけません。
そういった方々の前で演じる覚悟を持っていなければいけません。
カリスマ性も必要です。
そのためには理想に基づいた俳優としての信念が必要になります。
日々の継続力も必要です。夢中になれる人にしか成功はありません。
自由な発想力は俳優にとっての武器になります。
もちろん表現力も必要ですし、俳優は体を使って表現しますので身体能力もある程度は必要です。
自分のイメージ通りの演技をするために客観力も必要ですね。
と、ここまで思いつくままに書いてみました。


自分が今どういう状態なのか、今日紹介するような状態でいられてるのか、たまにチェックしてみて!
今回ご紹介するような事は、長年演技に親しんできた人でもいつの間にか無くなってしまっている感覚かと思います。
ですが、この感覚が無くなったせいで最近演じていても楽しくないという方もいるのではないでしょうか。
ベテランの方も初心に戻るつもりで是非ご覧ください。
演技が上手い人の特徴①
特徴のひとつ目は「熱さ」です。
演技レッスンでもそもそも熱意を感じないと言う方はたまにいますが、こういう方には講師としてアドバイスが非常に難しいです。
これまで何かを死ぬ気でやろうとしたことの無い方にとっては、「熱意もって臨む」と言う感覚を手にいれるのが非常に難しい事です。
今は時代遅れの感覚かもしれませんが、俳優にとって熱は非常に大事です。
熱が無ければ観ている人を巻き込む事は出来ません。
文化祭や体育祭なんかでも、この人がいると周りを巻き込んで盛り上がれるっていうようなリーダータイプがいませんか?


ここで言う「熱さ」は松岡修造さんのような熱さではありません。
常に熱さを周りに放出している必要は全くありませんが、冷めている人は演技には不向きかもしれないですね。
想像の世界に飛び込むって、普通の大人ならちょっと恥ずかしい行為ですから。
スターウォーズと言えば映画史に輝く名作シリーズですよね。
一度自分がやってる事を想像してみて欲しいのですが
- ジェダイの騎士を名乗って
- CGなので実際は目に見えない「ライトセイバー」を振り回して
- 無機質なグリーンバックの前で暴れ狂う
これ普通に考えたら良い年した大人がやる事じゃないです。
ましてや、冷めてる人には絶対にこんな事できません。
さらに、人間は応援したい生き物です。
応援するにしても、熱さを持って一生懸命に目標を達成しようとしている人しか応援したく無いですよね。
これについてはこちらの記事も参考にしてください。
台本もらったからとりあえず覚えたけど、この後どうすれば良いの?レッスンのクラスでこんな質問がありました。 演技に取り組み出してあんまり経ってない人は台本を覚える以外何したら良[…]
熱さを持って、日常的に演技に取り組んでいきましょう!
演技が上手い人の特徴②
二つ目は内面の豊かさです。
俳優業界で良く言われる言葉で言うと「感情」でしょうか。
「俳優=感情」みたいに思っている方もいるかもしれませんね。
私たちは日常生活で普段から感情を抑え込むトレーニングをしています。
いざ演じる時になって感情を解放しようとしてもすぐに出来るものではありません。
こちらで詳しく紹介しているので、よかったらご覧ください。
タコ全然泣けないよー!演技で泣くための方法ってなんかあるの?いるか先生泣くこと自体は演技の本質では無いけど、俳優としては泣きたいよねー。先日マンツーマンレッスンでこんな会話がありました。[…]


同じ悔し泣きだとしても「子供を飲酒運転の車に奪われた親」の悔しさにはドライバーへの怒りや悲しさが入るし「受験に合格できなかった」悔しさには両親への申し訳なさや自分への怒りが入るかもしれないね。
感情は一色にはなり得ません。
泣くにしても怒鳴るにしても、その裏にはいろんな感情があります。
同じ悲しい表現をするにしても、感情の種類の多さが豊かさにつながっていきます。
内面を豊かにする為には人生経験が必要ですが、本を読んだり映画を見たりすることでも補完できます。
普段から色んな作品に触れて、自分の感情の幅を広げておきましょう!
演技が上手い人の特徴③
三つ目は遊び心です。
演じることを英語でPlayと言いますが、Playは「遊ぶ」と言う意味も持っています。
演じている俳優が楽しく無ければ、観客も楽しくありません
いくつか俳優の遊び心の例を紹介します。
ゴッドファーザーでは「演じる役をブルドックのように見せたい」と言う思いから、脱脂綿を口に入れて臨んだそうです。
そもそも「ブルドックのように見せたい」と言う発想がなかなか出てきません。
思いついたとしても、撮影というプレッシャーのかかる中で「口に何か入れておく」という選択がすごいです。
遊び心を持って役に取り組んでいるからこそですね。
パイレーツオブカリビアンでは色んなキャラクターを参考にしたそうですが、その中の一つはワーナーのアニメに出てくるスカンクだそうです。
まず、海賊を演じるにあたってスカンクを参考にする。という発想が凄いですね。
しかもディズニーのライバル会社であるワーナーブラザースのアニメからです。
そしてこの役作りによって、第一作ではディズニーから役を降ろされかけたそうです。
それでも信念を持って自分の役作りを貫き通した結果、何作にも渡る大ヒット映画が生まれました。
羊たちの沈黙でアカデミー主演男優賞を受賞しています。
演じていたレクター博士はなんとも言えない気持ち悪さがありますよね。
あの役は高級レストランのヘッドウェイターのつもりで演じていたそうです。
猟奇殺人の犯人なのに、なぜか漂う気品はそういうことなんですね。
自由な発想で考えるからこそ「いかにも殺人鬼」というキャラクターではなく、殺人鬼にも関わらずその後も何度か映画化されるような人気キャラクターになりました。
ちなみに原作では元々脇役だったそうです。
一生懸命、演技を学んでいくのはもちろん大事です。
しかし、演技はそもそも「ごっご遊び」です。
演技を始めた時は楽しく演じることが出来たのに、勉強していく中でそれを忘れてしまいます。
例えば「殺し屋」とか極端な役を演じる時に

とか色々準備するのはもちろん大事なことです。
しかし、準備が出来ていないと演じられないとなっては本末転倒ですよね。

大人が本気で「殺し屋ごっこ」をしてたらそれだけでも楽しいからね。準備できてなくても思い切って飛び込んでみよう!
まとめ
今回は演技の上手い俳優の特徴、ということで紹介しました。
上手い俳優の定義は、観る人によって違います。
芸術はなんだってそうですが、キュビズムのピカソが好きな人もいれば写実的なミレーの絵が好きな人だっています。
結局、上手い俳優の細かい定義は演出家や監督によって違うのです。
しかし今日紹介したような事は、どの演技法に関わらず必要な事かと思います。
あなたの好きな俳優からもこの3つは感じるんじゃ無いでしょうか
- 熱さ
- 内面の豊かさ
- 遊び心
今自分はこの3つを持てているか?
と言うことをたまに考えてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!