日本では11月4日が公開日となっている「チケット・トゥ・パラダイス」を鑑賞してきました。
ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーと言う2大スターの共演。
2人の映画はしばらく観ていなかったので、前々から観に行きたいとは思っていました。
なんですが
いまいちテンションが上がらない
そうなんです。
観たいとは思っていたものの、この映画は予告編からして王道ラブコメ。
「ひと昔前に流行った映画」と言う懐かしい雰囲気が漂っています。
観たら面白いんだろうけど、なんかわざわざ映画館に行くのもなぁー
と思っていました。
ところがどっこい、感想としては
普通にめっちゃ面白い!
と言う感じです。
本当に王道のロマンチック・コメディなんですが、食わず嫌いで観ないの勿体無い!と思える面白さでした。
チケット・トゥ・パラダイスの概要
チケット・トゥ・パラダイスのスタッフ
制作会社:ワーキング・タイトル・フィルムズ
制作はワーキング・タイトル・フィルムズ
代表作は
- ノッティングヒルの恋人
- ラブ・アクチュアリー
- ブリジット・ジョーンズの日記
- アバウト・タイム 愛おしい時間について
などなど
今観ても色褪せない名作がたくさんありますね。
個人的には「ノッティングヒルの恋人」と「ラブ・アクチュアリー」は今もラブコメ作品のトップ2です。
監督:オル・パーカー
監督はオル・パーカー
「マンマ・ミーア!」の続編である「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」にも脚本・監督として関わっっています。
私自身も続編は観てなかったので、今度観てみようと思います。
音楽:ローン・バルフェ
映画音楽って今まであんまり気にしてなかったのですが、この方は「トップガン マーヴェリック」にも関わっている方だそうです。
ノリノリですね。
ちなみに予告編で流れる女性アーティストの曲がちょっと話題になったそうですが、デュア・リパと言うアーティストの「ドント・スタート・ナウ」と言う曲になります。
チケット・トゥ・パラダイスのキャスト
ジョージア役:ジュリア・ロバーツ
ラブコメの女王こと、ジュリア・ロバーツ。
言わずと知れたベテラン女優ですね。
22年前の「エリン・ブロコビッチ」でアカデミー主演女優賞を受賞しています。
脚本の時点で演じる俳優を想定して書くこと。
日本ではむしろあて書きの方が多い。
分業で台本を書いたり、俳優のオーディションも多い海外では、むしろ珍しいかも
デヴィット役:ジョージ・クルーニー
2人の掛け合いは見事でした。
ジョージ・クルーニーのふざけ方は流石の貫禄ですね。
日本では役所広司さんがたまに近しいふざけ方をします。
「チケット・トゥ・パラダイス」では脚本が完成した時点でジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーに同時に脚本が送られて出演依頼があったそうです。
リリー役:ケイトリン・デヴァー
ベテラン2人の娘の役ですね。
この人は知りませんでしたが、「チケット・トゥ・パラダイス」ではかなり重要な役を担っていました。
ちなみにケイトリン・デヴァーの出演も最初から決まっていたそうです。
詳しくは後ほど感想の部分で触れたいと思います。
ポール役:リュカ・ブラヴォー
ジュリア・ロバーツ演じるジョージアの彼氏役です。
コメディをコメディとして演じちゃってるというか。
もちろん他のキャストも自然な演技という訳ではないのですが…。
もしかしたら、あんまりコメディに慣れていないのかもしれないですね。
チケット・トゥ・パラダイスの舞台
映画の舞台となるのはバリ島。
しかしながら撮影はちょうどコロナ禍で大変だったようです。
ということで、撮影が始まった当初のロケ地はオーストラリアだったそうです。
とはいえ感染者の少なかったオーストラリアでも閉鎖してしまっているリゾートホテルも多く、ロケ地を探すのはかなり大変だったようですね。
チケット・トゥ・パラダイスのあらすじ
元夫婦のデヴィットとジョージア。
2人は離婚後も必要に迫られて会うたびにいがみあってばかり。
そんな2人も愛娘のリリーを愛する気持ちだけは共通していた。リリーはロースクールを卒業して弁護士に・・・。
と思いきや、リリーは旅先で出会ったイケメンと結婚するという。デヴィットとジョージアはそんな娘からの連絡を受けて南の島へと向かう。
自分達が結婚で失敗した2人は、娘に同じ過ちを犯してほしく無い。果たして元夫婦の2人は娘の結婚を阻止できるのか!
このあらすじから結末を予想して頂ければ、大体の方が正解するのでは無いかと思います。
チケット・トゥ・パラダイスの感想(ネタバレあり)
面白かったポイントはいくつかあって、でもやはり一番は
自分が親世代である
と言うのが大きいのかと思います。
親としての立場を存分に演じて共感させてくれるのが名優ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーですからね。
単純に映画として楽しい!
バーでジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーが酔っ払って踊り狂うシーンがあるんですが、こんなにキャリアも実績もある2人が演技を忘れてるんじゃないか?というくらいに楽しんでいます。
この時のジュリア・ロバーツの笑顔はすごくキュートだし、ジョージ・クルーニーのふざけっぷりはとても楽しいです。
名言的なセリフの数々
最近はリアルな会話劇が主流なので、セリフもリアルなものが多いです。
わざわざ言葉で説明せずに関係性で見せるような作品も楽しいですが、やはり言葉としてバキっと決めてくれる作品も気持ち良いですね。
トロピカル・リゾートの絶景の数々
この映画を観たら旅行に行きたくなるでしょう。
とにかくバリの景色が綺麗で(実際はオーストラリアの景色も入っているわけですが)なんだかスッキリした気持ちになります。
この映画にはコロナ的な要素は一切入っていません。
コロナが流行り出した当初は芸能関係の中でも
という風潮もありましたが、やはり創作物の中でくらいコロナは忘れて楽しめた方が良いのかもしれないですね。
あまりにも開放的な世界を目の当たりにして、なんだかよく分からない瞬間に泣きそうになりました。
意外と「ありえないだろ!」ってならない
どちらかというと、恋愛ものが苦手な私です。
理由としては「今は盛り上がってるかも心ないけど、駆け落ちしちゃってその後どうするの?ずっと愛情は続くの?」ってどうしても思ってしまうのです。
で、この「チケット・トゥ・パラダイス」に関して言うと
娘が卒業旅行に行った先でイケメンと出会って結婚するとか言い出した
これって普通に考えて
ちょっと待て!
と言われるやつだと思うんです。
当然親としては受け入れられないし、何があっても阻止しますよね。
で、ストーリーとしては最後は娘の結婚を認めて全員ハッピーエンドを迎える訳ですが、本来の私にはこのストーリー運びって受け入れにくいはずなんです。
でも不思議なことにこの作品では受け入れられたんですね。
理由を自分なりに考えてみたんですが「リリーなら大丈夫」と思えるんです。
リリーは両親の20年にわたる争いを間近で見てきました。
普通に考えたら結婚に理想なんか持ちようがない状況です。
そして、リリーは両親のことが大好きなんですよね。大好きだからこそ、期待に応えるためにロースクールを卒業して弁護士になろうとしています。
リリーには野心や出世欲があったわけではなく、結局親からの愛情を求めた結果弁護士の道を選んだのかと思います。
そんな中、卒業旅行で出会ったグデ(マキシム・ブティエ)
グデは自然と神と人間が調和して生きる生活を良しとする、南国ならではの価値観を持っています。
イケメンなだけでなく、家族や親戚との繋がりも深く、リリーがこれまで手に入れることが出来なかった温かさや落ち着いた生活を全て持っているのがグデでした。
両親ももちろんリリーのことを愛しています。
自分達が勢いで結婚して失敗したという思いがあり、娘の結婚を阻止しようとしていました。
でも、自分達の結婚が失敗だったとしたら、リリーが誕生したことも失敗だったということになってしまいます。
そのことに思い至り「この先何があったとしても、失敗ということはない」という結論に至ります。
もしもこの先離婚する未来があったとしても、ジョージアとデヴィットは今度こそ温かくリリーを迎えてくれるんじゃないかな?
夫婦喧嘩のあるある
愛の反対は憎しみではなく、無関心である。
と言う言葉がありますが、それが真実だとしたらジョージアとデヴィットの2人は冒頭からずっとぶつかり合っているので愛情が無いわけでは無いのでしょう。
むしろ情熱的に相手に関わっています。
ジョージア「つまり私に間違いを犯せってことね!?」
最終的に2人は歩み寄ります。
お互いがお互いに対して「自分に対しての気持ちは冷え切っている」と思っていたわけですが、開放的なトロピカルリゾートの自然の力を借りて、少しずつ歩み寄りを見せたことで2人の元夫婦の関係も前向きに捉えられるラストを迎えます。
現実はそんなにうまくいくことは少ないと思うけど、映画の中くらい良いじゃない。むしろこんなに開放的で前向きで楽観的な映画ってここしばらく観てなかったから、逆に新しいような気持ちになったよ。
チケット・トゥ・パラダイスのまとめ
冒頭でも触れたように
これでもかというくらいにベタな展開
の映画です。
戦争やコロナ禍で世界的に鬱々とした状況の中、あまりにも陽気で楽観的な映画。
何かわかりやすいメッセージ性があるわけではありませんが、現状へのカウンター・カルチャー的な側面のある映画なのでしょうか。
だからこそ、設定はどこかで観たことがあるようなものなのになんだか新しく感じるのかもしれません。
嫌いな人は少ないと思うので、デートでも友達とでも、家族でも観ても楽しいんじゃないかと思います。