サブテキストという言葉を聞いたことがありますか?
最近では演出や監督でも使う方が多いので、耳にしたことはあるかもしれません。
こんな方が多いのではないでしょうか。
この記事では
- サブテキストとは?
- サブテキストが演技にどう影響するのか
- サブテキストを理解するコツ
といったことをご紹介します。
演技ではさまざまなテクニックがあります。これまでもいろんな考え方を紹介してきました。
全てを意識する必要は無いと思いますが、自分にフィットするものがあれば取り入れてみてください。
個人的には、サブテキストは演技に活かしやすい即効性のあるテクニックかと思います。
サブテキストとは
テキスト=実際の上演に使われる台本ですよね
サブテキストというのは
実際にセリフとして表には出ないけど、セリフの裏で流れている言葉です。
例を使って説明しますね。
例題
「大嫌い」
というセリフがあるとします。この言葉をどんな風に言いますか?
- 唯一の友達だけに打ち明けていた秘密を、みんなの前で言われたことに対して「大嫌い。」
- 子供が、親をからかうつもりで「大嫌い」
- 彼女が、付き合ってる彼氏に向かって甘えた声で「大嫌い」
全て言ってるセリフは同じ「大嫌い」でも、セリフの下に流れる言葉が違います。
そしてセリフの下を流れる言葉が違えば、セリフの意味が変わってきます。
・サブテキストが違えば、セリフの意味が変わる
サブテキストを設定するポイント
サブテキストについてなんとなくは理解できたと思うのですが、なんとなくでは言葉の意味がハッキリしません。
サブテキストは「なんとなく」ではなく、具体的に決めることで効果があります。
例えばこちらは先ほどの例ですが
次のサブテキストを相手役に伝えるつもりで、同じトーンで代わりに「大嫌い」と言うセリフを発してみてください。
- サブテキスト「ぶちこ◯すぞ、テメェ!」
- サブテキスト「信じてたのにひどいよ。。。」
- サブテキスト「絶対に許さない。今後一切近寄らないで」
どうでしょう?
それぞれセリフとして表面に出てくるものは変わるはずです。
サブテキストを設定することでセリフの意味がハッキリすると言うことが体感出来たのではないかと思います。
・具体的にすることで意味がハッキリする
・意味がハッキリすることで相手役に与える影響が強くなり、結果相手役がセリフを受け取りやすくなる
サブテキストを実際に考えてみよう!
例
B「だめだよ。ちゃんと病院行かないと」
A「いいんだって。お節介はやめろよ!」
B「ほっといたら一生歩けなくなっちゃうかもしれないんだぞ!」
こんな台本を演じるとして、自由にサブテキストを考えてみてください。どんな可能性があるでしょう。
A『早く練習に戻ってくれよ』
B『ごめんな。俺のせいで。。。』
A『頼むから早く行ってくれって。お前まで抜けちゃ試合勝てねぇよ!』
B『試合なんてどうでもいいんだよ!お前の体の方が大事だろ!』
ストレートに呼んだらこんなサブテキストになるかもしれませんね。
他のサブテキストだったらどうでしょう。
A『お前本当にうざいな』
B『ダサいねー。怪我しちゃって。』
A『うるせぇな!どっかいけよ!』
B『いい気味だよ、これでレギュラーは俺のもんだ』
もしもBのセリフの前にカッコ書きで(笑いながら)と入っていたら、こんなサブテキストになるかもしれません。
テキストが仮にサブテキストに置き換わったとしても、流れは変わりません。
台本の言葉をサブテキストに置き換えてみたときに意味がわからなくなってしまうようなら、相手役との意見のやり取りにズレがあるのかもしれませんね。
・テキストとサブテキストを入れ替えたとしても、伝えたい意味は変わらない
サブテキストのまとめ
いかがでしたでしょうか?
大事なのは
サブテキストはあくまでも演技力を向上させるための道具である
と言う事です。
最初はコツを掴むためにいろんな台本で取り組んだ方が良いですが、コツを掴んだ後は演出家から演技の変更のオーダーが出た時や、台本に悩んでいる時に考えるくらいで大丈夫です。
演技力を向上させたい!
と思っている方は、参考にしていただけると嬉しいです。
今日もありがとうございました!