この日は朝早くから子供のお弁当製作のために起床。
「パンダのおにぎりが入ったお弁当が良い」と言う娘の希望に答えて、インスタグラム内をくまなく見て回りました。
無事お弁当を作り終わり子供を幼稚園に送り届けたのが9時前。
昼過ぎから演技レッスンの仕事になるのですが、微妙に時間が空いています。
と言うことで、空き時間を利用して映画を観に行くことにしました。
観たのは「スペンサー ダイアナの決意」
主演のクリステン・スチュアートがこの映画でアカデミー賞にノミネートされたという前評判は前々から聞いており、それは観ておかなければと思っていたのでした。
しかしながらいまいち足が重く、鑑賞したのは映画が公開されて一週間ほど経ってから。
そうなんです。
ダイアナと言えば、パパラッチに追いかけられた末の交通事故で亡くなったという悲劇が一番に思い起こされます。もう25年前の話ですが、この事件がきっかけでパパラッチが批判されるようになりました。
「スペンサー ダイアナの決意」の前に、ダイアナの生涯について簡単に復習!
ダイアナはイギリスの貴族であるスペンサー伯爵家に生まれました。はじめはかなり仲の良い家庭だったようです。
しかしダイアナが小学生くらいの時に、お母さんの不倫がきっかけで両親は離婚。
ダイアナはお父さんに育てられることになりました。
学生時代は恋愛小説に熱中し、成績はそこまで良くはなかったそうです。
その後お父さんは再婚しましたが、再婚相手の継母とはそりが合わなかったようで、ダイアナは一人暮らしを希望します。
その時は、子供のお世話をする仕事がしたいと言っていました。
一人暮らしを始めてから現イギリス国王であるチャールズとの交際が始まるのですが、チャールズは元カノであるカミラともずっと連絡を取り合っていたそうです。
2人は婚約ののちに結婚となりますが、ダイアナは王室の息苦しさを想定できていなかったのでしょう。ストレスで拒食症になってしまいました。
婚約発表の2月から7月までの間でウエストが72.5センチから57.5センチまで落ちたそうです。
結婚後は2人でゆっくり過ごせると思っていたダイアナでしたが、チャールズは公務が忙しくほとんど一緒の時間を過ごせませんでした。
その後2人の子供に恵まれて幸せな日々を送ります。
しかしチャールズは子供が生まれてから、またカミラとの交際を始めてしまいました。
1992年正式に別居が成立。
1996年には離婚しています。
このことにダイアナは大きなショックを受けたんだ。
離婚後はエイズ問題、ハンセン病問題、地雷除去などの事前活動にいっそう力を入れます。
別居の前からダイアナは事前活動に力を注いでいましたが、これが死後も世界中から愛され続けている理由でしょう。
ダイアナが亡くなった時には、宮殿が献花で埋め尽くされました。
- 恋愛小説が好き
- 子供のお世話をする仕事がしたい
- 事前活動に力を入れる
そんな方は方はこちらをご覧ください
前回台本における潜在意識の欲求について紹介してきました。見ていない方は是非そっちを最初に読んでみてください。[embed]https://actingnote.com/character1-225.html[/embed][…]
愛を注がれなかったからこそ愛を求め、愛を求めるからこそ人のために生きて、最終的には世界中から愛されたダイアナ。
壮絶な人生ですね。
「スペンサー ダイアナの決意」のあらすじ
幼稚園の女の子がなりたいものランキングで、いつの世もぶっちぎりのトップとなるのが
そう
お姫様なのです
と我が家の娘たちも口をそろえて言っていました。
そして、そんな女の子の憧れである「お姫様」という存在であるプリンセス・ダイアナ
しかしダイアナは
自らプリンセスの座を降りました
舞台は1991年の冬。
王家の伝統として、クリスマス前後の3日間をサンドリンガムで過ごすダイアナ。
この映画はダイアナの歴史の中からこの3日間だけを切り取っています。
既にチャールズとの関係は冷え切っており、ダイアナに向けられる王族の視線は厳しいものでした。
子供たちといる時だけは安らぐことが出来る。
しかし、子供がいるからこそ自分が投げ出すわけにはいかない。
ストレスから奇行が目立つようになっていたダイアナは、この3日間監視の目を向けられています。
そんな中で、ダイアナの心は徐々に追い込まれていくのでした。
「スペンサー ダイアナの決意」の感想(ネタバレあり)
クリステン・スチュワートの演技
「チャーリーズ・エンジェル」や「トワイライト」に出てた人ですね。
他にも「アクトレス〜女たちの舞台〜」に出演していて、そっちの方が評判が良いんですが、恥ずかしながらそっちはまだ観ていません。
少なくとも一番直近の「チャーリーズ・エンジェル」で観た印象とは全く違っていました。
若く、どちらかというとガラの悪い女の子の役だったのですが、今回は完全にダイアナのエレガントさを身に纏っています。
アカデミー賞にノミネートされるだけあって素晴らしかったです。
感情を発散させるわけでもなく、全体的に抑えた演技ではあるのですが、ダイアナの苦しさが伝わってきます。
スペンサー・ダイアナの苦悩
冒頭から既にダイアナは結構追い込まれています。
お姫様であるダイアナは一見すると恵まれた生活をしているように見えます。
しかし
- 女王よりも早く席についておかないといけないというプレッシャー
- チャールズから送られたネックレスをつける事を求められるが、そのネックレスは浮気相手のカミラに送ったものと全く同じもの
- 数々の王家特有の伝統や慣習
- 自分で洋服を選ぶことも許されない
というストレスフルな状況が次々とあらわれます。
サルトルの名作「出口なし」のような状況。
地獄かどうかも分からない地獄。
王室の人間はみんなダイアナに優しく接しますが、ほとんど全員が裏でチャールズに密告したりします。
何回裏切られるんじゃい!
とダイアナも思っていた事でしょう。もう少し上品な言葉で。
ダイアナはどんどん追い込まれるのですが、子供の前では明るく振る舞います。
しかし、そのことでドンドン自分を追い込んでいるのです。
というセリフがありましたが、自分自身でも壊れてきている自覚があるんですね。うまく振る舞おうとしても出来ないのです。
その事で子供に対して罪悪感も持っていて、観ていてとても痛々しかったです。
何かのインタヴューで映画「シャイニング」を意識しているという記事を読みましたが、確かに壊れていく心・閉じ込められた空間・撮り方・舞台セットなど、シャイニングを感じるものは多々ありますね。
今の日本にも通じる嫁姑問題
チャールズの浮気について
という意見を聞くことがありますが
そう思う男性は、結婚しない方が良いです!
昔と違って、今は旦那の実家に住むということだけでも耐えられないほど苦痛に感じる女性は多いです。
旦那さんのお母さんと仲が良い・悪いは関係なく、実家に泊まるだけでストレスがかかるのです。
特に子供が小さいうちは、実家からの少しの干渉でも奥さんの気持ちを逆撫ですることになるので気をつけましょうね。
「スペンサー ダイアナの決意」まとめ
とにかく苦しい展開の続く映画ですが、最後はダイアナが決死の覚悟で自分を勝ち取ります。
カカシや人形などの添え物ではなく、生きた人間なのだという熱量を見せてくれました。
そして「スペンサー」に戻っていきます。
もちろん史実を知っている我々は、この後もダイアナに悲劇が待っている事は分かっているのですが。
しかし映画を観終わったあとは
とさえ思いました。
悲劇のプリンセスとして知られるダイアナが、映画の中の世界では救われることが出来ました。
おしまい