こんにちは。演技講師のイルカ先生です。私は20年間芸能の世界に関わってきました。
自分自身も俳優として、プロの世界で演じています。
TVドラマ、映画、CM、舞台といった各メディアに出演してきました。
大きい作品もあれば、自主制作の作品もあります。
20年間、とにかく演技とは何かということを考え続けてきました。スタニスラフスキーやマイケル・チェーホフ、イヴァナ・チャバック、ステラ・アドラー、サンフォード・マイズナー、などなど。実際に師匠について勉強した理論もあれば、自分で学び実験しながら確かめていったものもあります。
この記事ではそんな私が
メソッド演技(メソード演技)について解説します。
おそらく演技の世界に関わる中で、メソッド演技という言葉を聞いたことがある方も多いのでは無いでしょうか?


こんな印象を持っている方も多いかもしれません。
しかし
メソッド演技とは何か?
ということを理解している人って意外と少ないような気がします。
私自身、20代の頃はなんとなく分かった気になっていただけでしたから。
この記事を読んでもらえれば
- メソッド演技とはなんなのか?
- なぜメソッド演技が嫌われているのか?
についての概要を理解していただけます。
明日からは

ってお友達にドヤ顔してやりましょう(笑)
メソッド演技とは?
メソッド演技というのは直訳すると演技の方法です。

演技法のことをメソッド演技というなら歌舞伎にもミュージカルにも、それぞれのメソッド演技があるということになりますよね。
言葉としてはそうなんですが、演技の世界でメソッド演技という時はアメリカの演技論のことを指します。


メソッド演技に対する誤解
アクターズ・スタジオでリー・スタラスバーグが伝えていた演技法の事。
そして考え方の違いからリー・スタラスバーグと袂を分かったのが、マイズナーでありステラ・アドラーである。
サンフォード・マイズナーもステラ・アドラーも、元々はリー・ストラスバーグと共にアクターズ・スタジオで指導していました。

ステラ・アドラーはその後メソッド演技を批判したりもしています。
今の日本では
アメリカの演技論=メソッド演技
と認識している方が非常に多いですが、それぞれが言ってることは微妙に違うんですね。

なぜメソッド演技について苦手意識を持っている方が多いかと言うと
メソッド演技=感情の記憶
と言うイメージが強いからです。

自分のトラウマを自分で抉ることになります。
これは効果的な場合も確かにあるんですが、心を病んでしまう俳優もいます。
演技講師は心理カウンセラーではありませんからね。

感情解放という言葉を聞いた事はあるでしょうか?
自分で自分を刺激して、泣き叫んだり怒鳴り散らしたりするエクササイズです。
はたから見てると、なんだか宗教のように感じる方もいるでしょう。


メソッド演技が目指すものとは?
なぜ俳優の個人的の感情の記憶を大事にするかというと
感情の昂りによって自意識を克服しようというしたからです。
これがメソッド演技の基本となる部分です。
そして私が思うにほとんどの演技論は、自意識の克服を目標としたものです。
マイズナーテクニック・相手に対する行動に集中する事で自意識からの解放を目指す
チェーホフテクニーク・自分自身の身体感覚に集中することで自意識からの解放を目指す
イヴァナ・チャバック・相手役に集中する事で自意識からの解放を目指す
かなり乱暴に種類分けしました。
それぞれが影響しあって混ざり合っているので、一概に「これはこう!」と言い切れない部分があるのです。

細かい部分は違いますが、被っている部分も多々あります。
自意識を克服するための方法が違うだけだと私は思っています。
メソッド演技のまとめ
メソッド演技と言われているものは
想像の世界で本当に生きる
ということを目標としています。
そのためには俳優の自意識から解放されなければならないわけですが、その方法がそれぞれ違います。


私自身メソッド演技が完璧だと思っているわけではありません。
しかし、俳優にとって使える部分も多いと思っています。
理論を学んだら実践してみて、自分に合うと思えば演技に取り込んでいきましょう!