「その本は」という小説?のような本を読みました。
果たして小説というジャンルになるのか、自信がありません。
僕は元々又吉さんの本が好きです。
読んで頂くと分かると思いますが、何度も読み返したくなるような文章なのです。
細かいところで
「あれ?これってこういう意味を持たせてるのかな?」
と何度も思わせてくれるので、知らず知らずに自分の想像力を掻き立てられます。
謎解きのようなエンターテイメント性もあって面白いのです。
「その本は」
にも想像力を掻き立てられる部分がたくさんありました。
具体的に言うとネタバレになっちゃうので控えますが。
面白い本だったので、こちらでもご紹介したいと思います。
「その本は」のあらすじ
本の背表紙のあらすじをそのまま引用しますが
本の好きな王様がいました。
王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。
王様は二人の男を城に呼び、言いました。
「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を、聞きたいのだ。
お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてくれ。そしてその本の話を、わしに教えてほしいのだ」旅に出た二人の男は、
たくさんの本の話を持ち帰り、
王様のために夜ごと語り出したーーー。
こんな感じです。
あらすじはそんなに重要ではないのですが、この設定の中で男二人が変わるがわる、いろんな本の話を王様に聞かせていきます。
「変わった本がありました。どんな本?」
という大喜利のお題に
「その本は」という出だしで二人が変わるがわる答えていくような雰囲気です。
「その本は」の感想
大喜利と書いてしまいましたが、笑えるような面白さだけではありません。
ちょっと怖い本があったり、感動的な本があったり、不思議な本があったり、考えさせられる本があったり。
もう本当に様々です。
星新一さんのような印象を受けるかもしれません。
いや、違うか。
一つ一つ
登場人物の気持ちになって噛み締める時間が出来るので、とっても味わい深い本でした。
一話一話はすぐ読めますので、特に、本を普段読まないという方におすすめです。
すぐ読めるにも関わらず、先述したようにいろんな種類の本があるので、自分が好きな本は何か?ということも気づかせてくれるんじゃないでしょうか?
何か嫌なことがあった時などに、全て「ムカつく」という言葉で表現するのは感情の粒度が低いということです。
同じ嫌なことがあって、気分が悪いということに対して「癪に触る」「腹が立つ」「憤る」「モヤモヤする」などいろんな言葉で表現できるのが、感情の粒度が高いという状態ですね。
自分で言葉に出来る感情しか、人は表現することができません。
当然ながら俳優はいろんな感情を表現する必要がありますので、感情の粒度は他の職種の方よりも高くないといけません。
余談ですが、感情の粒度が高いとストレスに強くなるという研究結果も出ています。
自分の感情を正確に理解できないと脳が混乱をきたすからです。
トレーニングとして最近あった嫌なことを一つ思い出して、出来るだけ色々な言葉で表現してみて下さい。
感情ラベリングとい方法ですが、2012年にアメリカのミシガン大学が効果を明らかにした方法です。
ストレス緩和のテクニックとして知られていますが、感情の粒度を上げるトレーニングにもなります。
色々な言葉で表現するときには
「ちょうど手が届かない部分がかゆい時みたいなイライラ」
と比喩を使って表現したり
「怒り50%、悲しさ20%、悔しさ30%」
と数字を使って表現したりしても良いです。
感情ラベリングを毎日、2週間から3週間くらい続けると、自分の感情についての理解がかなり高くなっているはずです。
まとめ
今回は「その本は」を紹介しつつ、俳優が本を読む必要性についても触れてみました。
我が家の子供たちも、中学生くらいになったら読めるかな?
最初に読むにはとても適した本です。
でも、本に興味の無い人が、そもそもどうやって本を手に取らせれば良いんだろう?
子供たちが成長してきたときに、僕の父親としての手腕が試されますね。